むかしむかしあるところに、可愛くて小さな女の子がおりました。
誰もがその女の子を可愛いがり、特にその子のおばあさんはこれ以上ないくらいに可愛がりました。
あるときおばあさんは赤いビロードの頭巾をあげました。
その子はその頭巾をとても気に入り、また、とても良く似合っていたので、他のものをかぶらなくなりました。
その姿からみんなはその子を『赤ずきんちゃん』と呼ぶようになりました。
ある日、赤ずきんちゃんはお母さんにお使いを頼まれます。
その道中のお花畑で、一匹の狼の子供が怪我をしておりました。
心優しい赤ずきんちゃんはその狼を助けてあげました。
時は流れ、赤ずきんちゃんは成長します。
昔の頭巾はかぶれなくなってしまいましたが、それでも彼女は昔の癖か、赤い何かを頭にかぶりたがります。
これはそんな女の子が、オトナになっていくお話です。